~“苦労したことで伝わらないと思った時に”宇宙兄弟をお勧めする理由~
手段と目的を混同せず、
課題形成が明確でわかりやすい!
ので、課題の大変さがよくわかる&乗り越えたすごさが
伝わってくるマンガです。
~宇宙兄弟あらすじ~
会社をクビになったおじさんが
宇宙飛行士を目指すお話です。
映画化もアニメ化もされているので
あらすじは本家webサイトを
引用させていただきます。
https://koyamachuya.com/about-space-brothers/synopsis/
宇宙兄弟のここがおもしろい!
目的と課題を明確にして、
課題に対して有効な手段を模索する
プロセスがおもしろい。
宇宙兄弟の一例を紹介します。
(一部ネタバレがあります、ご注意ください)
11巻でムッタたちは宇宙飛行士になる訓練の
一環として”カムバックコンペティション'”に参戦します。
この大会はキャンサットと呼ばれる
空き缶サイズの超小型惑星の打ち上げ大会で、
下記内容①~⑤のミッションをこなし、その距離とタイムを競います。
①サンキャットを打ち上げ
②空中でキャンサットを放出
③パラシュートで着地
④ローバーを起動
⑤自動制御でローバーを
ゴールフラッグまで誘導
ムッタたちは試行錯誤を繰り返しながら
このコンペに挑んでいきます。
さて、彼らのこのミッションに
どう立ち向かっていくのでしょうか?
そのプロセスを一緒に見ていきましょう。
1.目的の明確化
→もちろんこのコンペの目的は
ゴールフラッグまでたどり着くことです。
ここではどうゴールフラッグまで
たどり着くか?の方針を目的として
明確にします。
マンガ本編では下記AとB案が挙がりました。
あなたならどの方法を選択しますか?
A:フライバック方式
→パラシュートをパラグライダーのように
制御してゴールフラッグを目指す
B:ランバック方式
→パラシュートで着地後、
ローバーで自走してゴールフラッグを
目指す
マンガ本編では②空中でキャンサットを
放出後にAとBの方法に対してBを選択して、
ローバで自走することを目標(目的)として
設定します。
Bを選んだ理由として、毎年大会の会場の
上空には風が吹き荒れており、
パラグライダーでは制御不能となることを
想定したためです。
この目標(目的)設定とその根拠は
とても重要です。
今後で発生する課題はローバーで自走する
前提での課題クリアを考えることになります。
やっぱりフライバック方式が良くない?
まで議論を戻らないようにするため、
なぜ目標(目的)設定されているのかを
しっかり確認します。
2.課題の明確化
→いくつも問題が発生しますがここではその中でも下記をピックアップしたいと思います。
マンガ本編では溝にはまる問題への対応として下記2案を検討します。
発生した問題:ローバーが溝にはまって抜け出せない
さてさて、あなたならどう対応しますか?
まずは課題を明確にしましょう、あなたなら何を課題と設定しますか?
・溝を乗り越えられないことでしょうか?
・溝にはまってしまうことでしょうか?
・ランバック方式にしたことでしょうか?
原作のムッタたちは目的を達成できないこと、
つまり”ゴールまでたどり着けないこと”を課題と設定してます。
なので、溝を乗り越えられなくても、溝にはまってしまってもゴールにたどり着ければいいのです。
原作では”ローバーが5秒以上進まなかったら少しバックして
角度をずらしてまた走り出す”で対応します。
このように課題を何と設定するかによってアプローチが変わってしまいます。
もし、”溝を乗り越えること”だったり”溝にはまらないこと”を課題と設定した場合には
もっと違うローバーになっていたでしょう。
“苦労したこと”を伝えるために意識すること
就活生の皆さんにに一番伝えたいしたいことは、課題を明確してに伝えましょう!
課題がわからないと面接官に苦労が伝わりません。
前述の宇宙兄弟を例にとると
いきなり”溝を乗り越える”ことに苦労しました!と
言っているようなもので、なぜ溝を乗り越えなければいけないのか?
他の方法があるんじゃないの?と思ってしまうわけです。
課題を明確にするために、目的を明確にする必要があります。
あなたの研究の目的は何でしょうか?
あなたの研究の目的が達成されると世の中にどんな変化をもたらしますか?
ほかの方法ではダメなのでしょうか?
私も理系学生でしたが、研究テーマは教授から与えられるものでしたので、
研究テーマの課題がそのまま課題でした。
しかし、これを面接でそのまま説明しても伝わらないことが多いです。
聞いている方はなぜそれが課題なのかがわからないからです。
なので、研究テーマの背景を整理しましょう。
あなたの研究の課題がクリアされると、何ができるようになって、
世の中にどんな変化を与えることができるのでしょうか?
世の中はどんなことに困っていて、
あなたの研究が適用されるとどんな革新が起きるのでしょうか?
具体例を出しましょう。
あなたは熱力学系の研究室にいて、エンジンの研究をしており
自動車業界への就活を希望していたとします。
エントリーシートの”苦労したこと”に”研究進捗のマネジメント”と書きました。
たしかに苦労しそうですが、なぜ苦労したのか?
それって研究とどんな関係あるの?がわかりづらいのがわかると思います。
宇宙兄弟の例をもとに目的と課題を明確にしていきます。
まず、目的と課題を整理します。
あなたの研究室のエンジンの研究の
目的は”燃焼効率をUPさせること”でした。
この目的が達成されるとCO2排出の少ない
エンジンを開発することができます。
”燃焼”はエンジン室内の密閉空間で行われるため、
燃焼現象を詳細把握する研究の一環として、
燃焼を可視化する研究をしていました。
課題は可視化のために大きな設備が必要となることです。
対策として外部の実験施設を借りて実験することになりました。
決められた期間で実験を完了させなければいけないため、
実験メニューの選定やその準備、
実験中のトラブル対応を期間内に対応してきたことが
伝えたかった”苦労したこと”になります。
ここまで整理するとなるほど、大変だったねが伝わりそうですよね。
あわせて、この苦労を乗り越えたことで計画力やトラブル対応力が身についた
と書くことで+αの説得力があってGOODですね。
まとめ
苦労したことを伝えるために、目的と課題を明確にしましょう!
”なぜそれをやっているのか?”の前提を整理してきちんと伝えることで
自分の苦労を面接官にも”大変だったねぇ”と共感してもらえると
うれしいです!
今一度、エントリーシートを見直して、
苦労したことからいきなり書いていないか?
目的と課題が明確に表現されているか?
をチェックしてみてください!
お役に立てればうれしいです。
それではまた!
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